橋村





高校時代の僕を語る上でどうしても外せないのがこの男“橋村”である
彼の孤高の表情からみてもはっきりとわかるだろう「こいつ掘ったら出てくるぞ」と
高校卒業からのブランクは感じるにせよ
こと彼の扱いに関しては やはり僕の右に出る者はいない
そして先日も 右に出るうんぬんかんぬんの前に 出ようとする者すら皆無
誰しもが高校時代に魅せられた僕と彼の一挙手一投足を今か今かと期待する
もうみんなあの頃と違い大人であるから あからさまに僕に要求したりはしない
ただ僕だって大人になった もちろんその無言のリクエストに僕も全力で応えた
僕の魔法で彼の眠っていたパトスがこれでもかと解放される
そもそも論ではあるが彼のポテンシャルをここで表現するのは難しい
現在1ヶ月につかうお金は1万円で内訳はポテチと三ツ矢サイダーとアニメのDVDのレンタルだそうだ
これで感じてくれる人は僕と話が合う気がする 逆にこれで何がわかるというのだ
この1ヶ月1万円の小話には導入部があるがそこはあまりにもプライベートなのでこんなとこじゃ公開できない
差し入れの小豆かき氷を食べ終えた後の話とか夏休み中の部活の昼飯の話とか
洗濯しすぎの学ランの話とか学ランの下に着てたポロシャツの話とか
あー青春の思い出っていいもんですね
先日の心残りといえば彼のセカバンを細部まで確認しなかったことだ
せめてそのメーカーだけでも控えるべきだった 逆に彼に申し訳ない
今 高校野球部で組まれたLINEのグループ上では彼に対する僕への賞賛の声で溢れている
その当時付き合っていたマネージャーからはいっさいレスポンスがない
最後に 橋村という男に素敵なサムシングを感じてくれたあなたに
“野球覇王”こと“廣松”という漢の存在も伝えておきたい
氏の 度重なる肉離れの話やどんなときも手刀を選択する話や手書きの屍の話
とにかく数多く残る氏の伝説は今の僕に多大な影響を与えている


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