知らない



>物語が好きだというのが強いと思います。
あと、単純に自分の気持を歌う、いわゆる「俺の歌」ってするのは
単純に「恥ずかしい」というか「そんな器じゃない」って気持ちにどうしてもなってしまって。
だからその自分の気持みたいなものを物語に織り込ませるとそんなに恥ずかしくないし、
自分の歌にならずに人の歌になってくれる。
物語を歌うと、物語の主人公とか登場人物とか風景に自分を投影したりとか感情移入したりできるんじゃないかなと。
で、「その人の歌」になってくれるんじゃないかなっていうふうに思って。

>音楽って自分の心をストレートに出すことが良しとされるっていうか、
それが恥ずかしかろうが恥ずかしくなかろうが良いんだっていう。
僕は高2の時に初めて松尾スズキさんと会って、授業を受けたんですよ。
一番最初に教えられたのが「恥ずかしさを学べ」。ここからここまでやったら「恥ずかしい」。
で、とにかく俺たちがやっている表現って全部恥ずかしいんだ、
人前に出るっていうのは恥ずかしいことなんだよっていうのを、まずすっごい教わったんですよ。
授業的にはいきなりSPEEDの「BODY&SOAL」を全力で踊らされたんですけど(笑)。
恥ずかしいと思いながらやれ、と。
それを音楽に当てはめた時にあまりにも恥ずかしいって思っている人がいないっていうか。
それにずっと違和感を持っていて。

>前からずっと違和感があった「世界はひとつ」って言う言葉。
全然それは否定しないし、いい言葉だなとも思うんですけど、
「地球はひとつだけど世界はいっぱいあるのになぁ」って思ってたんですね。
ふられたときに絶望的な気持ちだったんですけど、「世界はひとつになれないんだ」っていう
前から思っていたこととその時の気分が重なってこの曲がわーっとできたんですけど。
すごく偉そうに感じたんですね、歌詞が。お前はどの立場から言ってるんだ、と。
で、そう思った時に最後に何かちゃんと解決策を見出さないとダメだと思って、それでずーっと考えて、
たとえば赤色と青色があった時にこの2つは絶対ひとつにはなれないけど重なった時にひとつの色ができる。
それはどっちかが色を変えているのではなくて、ただ重なっているだけだ、と。
それは人間関係でも言えるんじゃないか、と。
「君と僕はひとつだ」なんて「嘘つき!」ってずっと思ってたけど
「君と僕はふたつだ」って言われるとそうだよなって。
でもその「ふたつ」は「ひとつひとつ」とはまた違うじゃないですか。
それぞれがちゃんと孤立して自然と重なることでなにかひとつのものがそこに生まれるんじゃないかって。

だから好きです。星野源。

知らない


0 件のコメント:

コメントを投稿